日常を綴る

止まっているようで進んでいて進んでいるようで止まってる

忘れられない人

ずっと忘れられない人がいた。高校入試の日に「この人だ」と一目惚れをして、数ヶ月後に告白をして付き合った人。そして、別れた人。

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あれから随分と経って、一度も会うことは無く連絡先なんてのも全く知らず、接点の「せ」の字も出てこないほどの関係になった。もうきっと会うこともない。

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というはずだった。それが、どういうわけか地元の飲み会の店が同じ場所で、偶然にも隣の席になった。友達に押されるまま、連絡先を交換した。

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それから連絡を取るようになった。もうきっと会うことがないと思っていたのに、ラインのやりとりをするようになった。別れてからは、次に付き合った人と約五年、ずっと続いているらしい。まあ、そりゃそうだよなってなった。

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近況報告だったやりとりが、福岡でライブや遊びの用事がある度に「泊めてほしい」という連絡に変わった。そんなの、もう、泊めるに決まってる。なんだかんだ自分の中で、やっぱり特別なんだと思った。この時から、好きなのかもしれないと思った。

    
相手がいると分かっていても、こういう連絡はどうしても期待してしまう。二人で会うことのハードルが低くなると同時に、頭の中で「前の関係に戻れるかもしれない」という淡い期待が、五年前の思い出と一緒によぎる。

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会う度に、好きな気持ちに促進がかかり止められなくなった日。もうそろそろ、相手が自分の気持ちにも気付いておかしくないと思った日。

     
何気ない会話から何度も、五年付き合っているという顔も知らない相手の名前が出てきた。その度に、胸をえぐられるような気持ちになった。「ああ、やっぱり恋人の存在は大きいんだ。」と知っていたはずの事実に肩をすくめる。

     

落ち込んだと思ったら、忘れた頃に「泊めて欲しい」とまた連絡がくる。いよいよ相手にとって、自分がどんな存在なのか分からなくなった。そもそも異性として見られていないのか。それとも、少しは好意を抱いてくれているのか。もう考えたってキリがないから、一層のこと告白してしまおうと勢いのまま想いを伝えることにした。

     
結果は、言うまでもなくフラれた。相手の顔が驚いていたのが意外だった。

    

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最寄駅近くのカフェにいると言ったら、二つ返事で「もう駅に向かってる」とすぐに会いに来てくれた。合流して、ものの数分で「フラれた」と話すその瞳は、何故かいきいきしてた。今まで書いていたのは、その彼の話した話。

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『別れてからも恋愛はしたけど、どこかで諦められていなかった。でも、今日でしっかり諦め切れた。スッキリしてる。また前みたいに会うことは無くなるだろうけど、ちゃんと振ってもらって良かった。今は、感謝してる。』

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結果がどうであれ、恋愛をして相手に感謝ができるって素敵だなと思った友達の話。付き合えることが一番のゴール、というわけではない。

     

付き合えなくったって、別れたって、付き合えたって、どんな結果でも相手に「ありがとう」と思える関係って大事。それをお互いに言えるって、もっといい。そう思わせてくれた、名前は出さず紹介する私の友人メモリアル。これからも大切にしたい人だ。

    

2019/02/06