日常を綴る

止まっているようで進んでいて進んでいるようで止まってる

日常と、決めたこと

   

午前七時。

おばあちゃんとの電話で毎朝目が覚める。

「おはよう。今日は六時半に起きました。」

から始まる話の内容は毎回特にないけど、気づけば五分は話している。どちらかが必ず笑っている。

   

電話の終わりはいつも「今日も一日ファイト」とお互いに言って、終わったら布団に潜る。

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最近の朝は、電話のあとに二度寝をしてバタバタと家を出る。路面電車で通勤するよりもバスで通勤する方が早いということを知って朝の余裕が出来た。ちなみにバス停の近くにある自販機のレモンスカッシュが最近のお気に入り。という、どうでもいい話もすこし挟みながら日常を記録してみる。

   

バスに揺られて職場に着く。バス停に着くまでに二百円を両替して「ありがとうございました」と同時に二十円のお釣りを手に取る。右ポケットにその十円玉ふたつを入れっぱなしの日もある。

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職場には、いつも出勤時間の三十分前には着いて準備をする。上司が来る前に、すること全部終わっている日は心の中で小さくガッツポーズ。

   

休憩が短い時は五分のときもある多忙な業務をしながら笑って眉間に皺寄せてな毎日。仕事を終えて、原爆ドーム近くの橋を渡りながら帰路に立つ。橋の上から見る、川に反射する街灯は結構好き。

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そして一日の終わりには決まって「今日はいい日だ。」が言葉になる。そのうち「今日もいい日だった。」が口癖になる。

      

そんな毎日を過ごすのが残すところあと少しになったので記録することにした。色んなタイミングが重なって、予定よりも早く次のステップにいくことになった。いわゆる、退職というもの。

    

しかも人生で初めて職場での後輩、新卒くんがやってきたこのタイミング。新卒くんがやってきた日、言葉に表現できないくらいに可愛くて何でもしたくなった。理由のない愛情ってこういうことかと思った。突然お節介おばちゃんに変身した。

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思い返せば、彼と同じように今の職場に入った日には想像ができない経験をさせてもらった。PCの授業、公務員の授業、大学での授業、退職者への授業、英語の授業、国家資格の授業。営業、面談、カウンセリング、案内。なんだか、自分でもすごいなと誇りに思う。

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二年前の誕生日。

人生で初めて弱い部分も強い部分も魅せてくれた人のいる会社に内定が決まった。銀座にあるタリーズで面接の三時間前に社長の写真を見ながら面接のイメージをしていた。面接会場の壁に大好きなアインシュタインの絵があったのは忘れられない。

    

それから約一年後の二月のバレンタイン。

「この人からたくさん学びたい」と思った面接官だった上司のいる広島に配属が決定。顔合わせの懇親会で「お前はすごいやつになる」と評価してもらえたこと。なかなか結果が出なくて「できない自分」から目を背けたかったこと。

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それでも自分の成長が相手のためになることが仕事になる職種に感動していった。幅広い年齢層や職種、境遇の人と広く深く関わることができることで視界が広がった。自分の当たり前が当たり前ではないということを知ることができた。

   

学びたいことが学べる、と自分の決断に間違いがなかったと思えることが嬉しかった。

    

世間に存在する遠さと身近さを感じたこと。

自分の良いところも悪いところも受け止めてくれる環境があった。苦手な「数字の世界」と「ビジネスとしてやっていくこと」から見えることが増えた。世の中に揉まれる感じが、嫌でもあり好きでもあった。

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気づけば勤務するのは、あと七日。

仕事を辞めるということは、世間様に言えば「なにするの」「何考えてるの」となる。でも、わたしの場合は少し違って有難いなと思った。

    

喜んでくれる人や応援してくれる人が圧倒的に多くて驚いたし嬉しかった。悲しんでくれる人や寂しがってくれる人もいた。そして何度も止めてくれる人もいた。色んな人が近くにいてくれたんだと改めて気づかされた。

                                   

長く生きていけば、環境も求められることも求めていくものも変わってくる。その度に試されているような、試しているような気持ちに何度もなる。肯定と否定を何度も繰り返して、あとから後ろを振り返ったときに「変わった」と実感する。

    

本当に、一人じゃ何も出来ないと何度も何度も感じた。情けないし嫌いな自分が出てくるし、これでもかってくらいに自分に呆れて苦しかった。でもその度に、周りに何度も何度も救われてきたんだと思う。

   

あとすこし、この感謝を返せるように、ラストスパート、もう少し頑張ろうと思う。

   

2018/05/23